日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「高度経済成長期の〜、バブル期の〜、はいつまで影響するのか?」

経済ニュースや有識者の論説を読むに、「高度経済成長期の成功体験が…」

「バブル期のマネジメントが…」

という表現をよく目にします。

 

ついでに「失われた20年」なんて言葉を見ると、

「絶好調だったのが20年くらいで、そこが特異点だっただけではないか?」

とすら思えてきます。

 

ということで本日の愚問自答は「高度経済成長期の〜、バブル期の〜、はいつまで影響するのか?」として、相変わらず悶々と思考してみます。

 

この愚問に自答するにあたり、

1.何が影響力の要素となっているか?

2.この影響はいつまで続くか?

の2つに分解してみます。

 

1.何が影響力の要素となっているか?

 

一言で言うと「成功体験」なのですが、もう少し噛み砕くと、

「管理・マネジメントにおける意思決定」と言えそうです。

 

日本企業の場合は、終身雇用・年功序列を背景に、経験値の高い人が同一組織で上位役職にあがりやすい仕組みとなっています。

(このこと自体は僕が確認した範囲では1930年代に大衆化した、という認識)

 

管理・マネジメントにおける意思決定において、最後の判断基準が己の体験に基づいてしまうと、自ずと過去の実績が影響力を与えるものと思います。

 

他方、若くして上位役職者になった人はどうなのかというと、残存する経営資源との決別が出来るかがポイントになります。

例えば、設備くらいなら5年で償却して亡き者にできますが、これが事業所・工場・店舗のように一定規模の不動産を伴うと、その地域の雇用や経済効果まで加味されてしまうため、安易には取り除かなくなります。しかもこの手の不動産は高度経済成長期やバブル期に建てまくっている…。

また、人的資源でも、結局現場で動く方々の意識から過去の成功体験を排除出来なければ、上位役職が何を言っても変革にはつながらない。

 

このような構造になっていると思いました。

 

2.この影響はいつまで続くか?

 

一般的にバブル世代は1966〜1974年生まれを指すようですので、この世代がいま45〜53歳(2019年時点)。

実際にバブル期に成功体験を積んだ(それなりに実務を回せる力があった)世代という意味で+5歳とすると、いま50〜58歳くらいの方々が組織の意思決定から降りる時期になれば、人的資源の意味での要因はある程度解消されるかと思います。

よって、あと10年くらいでしょうか。

 

厄介なのが、過去の体験を企業理念に組み込み、おまけに人事評価制度にまで反映していると、全世代の行動様式に影響するので根が深いです。

 

ちなみにその次に待っているのはロスジェネで、この世代はかなりシビアな体験をしているため、はたから見ていても意思決定の様式がかなり異なります。

この世代が上位役職に入り、不動産的なものも含めて、真の意味での構造改革をすれば、日本企業の営みも変わってくると思いました。

(あくまで「変わる」のであり、良くなるかはわかりません)

 

結論:短くともあと10年くらいは過去の成功体験の後遺症は続きそう。

企業理念や人事評価にビルトインされていれば、半永久的に続くかもしれない。