愚問自答「いつになったらプロジェクトマネジメントが上手になるのか?」
色々な方々と仕事をしているうちに、自分の得意なことを自覚している人が一定数いることに気づきました(もちろん、転職経験者ほど多い)。
一方で、職業柄、仕事=プロジェクトの束であり、プロジェクトリーダーの方には社内外で多数お会いしていますが、自分で「プロジェクトマネジメント(以降、プロマネ)が得意」と言う人には会ったことがないなと思いました。
僕がメンバーとして働く中で「あ、この人プロマネ上手いな」と思うことはありますが、当の本人は自覚していないようです。
むしろ聞くと「いや、プロマネはあまり得意じゃなくて…」と言う人の方が多い。
これ如何に?と思ったため、(自分のプロマネスキルは傍に置き)「いつになったらプロジェクトマネジメントが上手になるのか?」という愚問自答に臨みます。
プロマネスキルの自覚について、以下2つの仮説を考えました。
1.「好き嫌い」と「得意不得意」の混在
2.プロマネスキルが流動的で定義・レベル化しづらい
それぞれ考えてみましょう。
1.「好き嫌い」と「得意不得意」の混在
あくまで僕の考えですが、プロマネという行為は途方もなく手間のかかることです(ゆえにプロジェクトが外注化され、それを生業にできているのですが)。
仕事の成果物の納期・品質のみならず、メンバーの育成や労働管理まで担うとなると、きちんと出来る人は超人かと思うほどです。
ゆえに「好き嫌い」で言うと僕にとっては「嫌い」の部類に入ります。
他のプロジェクトリーダーに聞いても「嫌い」とまで明言しなくても「苦手」「面倒」という意見はチラホラ聞きます。
他方、「好き嫌い」と「得意不得意」は別という見方もあります。
得てして、僕から見ればプロマネが上手な人ほど手間なことをきちんと出来ていて、ゆえに「プロマネは面倒」「出来ればやりたくない」と言い、決して「プロマネが得意」とは言わない傾向にあるかと思いました。
ちなみに僕がお会いした中で最もプロマネに優れた方が多い業種は建設系の方々と思います。
有体物を扱う業種はリアルに費用にはねるため、僕なんかの100倍はしっかりマネジメントされていると思いました。
2.プロマネスキルが流動的でレベル化しづらい
僕も少なからずプロマネ経験はありますが、様々な要素により毎回「難しいなぁ」と思っています。
要素をあげるとキリがないのですが、代表的にはタスクとリソースに分けられます。
タスクについては、プロジェクトごとに背景、ゴール・期待値、期間が変わります。
同じようなテーマでも相手が変わればリセットされ、一つとして「全く同じだったな」という内容はありません。
また、リソースについては、こちら側のメンバーが変わるとスキルや志向が変わり、これまたリセットされます。
一応、僕自身の基本形はありますが、それは「こうすると、こういうリアクションが生じる可能性が高く、こう対処すれば良い」という、自分の引き出しの整理レベルであり、結果的にはオーダーメイドになります。
僕個人の考えとして、プロマネは「不確実要素を排除し、打てる中で最善のアウトプットを実現する」ことであり、手法はウォーターファールでもアジャイルでも何でも良いと思っていますが、残念ながらそう都合よく行かないことも実に多いです。
一時期、「不確実要素を減らすには自分が最も稼働すれば良い」と思って、ヤケクソに働いた時期もありましたが、あまりヘルシーでないですし、やはりリスク洗い出しや磨き上げの観点では「3人寄らば文殊の知恵」で、多面的に検討した方が質がよいことに途中で気付きました。
よって、プロマネ自体が定義しづらく得意も不得意もないものかと思いました。
結論:
僕が「プロマネが上手」という日は来ないでしょう…。