日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「個人ベースのキャリア形成は働き方の自由をもたらすか?」

いつもウダウダとしている愚問自答ですが、今回はいつにも増して抽象的なことをクヨクヨと考えます(予め宣言)。

 

ここ1〜2か月ボンヤリと思考していたことですが、日本では今後益々、「個人ベースのキャリア形成」がトレンド※になっていくだろうと思います。

 

それは、

 

・「ニューエリート」(ピョートル著)に示されるよう、既にスタートアップでは仕事=自己実現という機運があり、識者もそれに同調している

・従業員に対して副業・兼業のようにマルチキャリアを後押しする仕組みが整備され始めてきている

・企業もIC(Independent Contractor)発注といった雇用に限らない労働力を活用し始めている

・終身雇用が時代に合わなくなったことを産業界も自認し始めている

 

という流れが、おそらく今後も続くと思ったためです。

 

※ちなみに「主流」「メイン」ではなく「トレンド」としたのは、そうは言っても日本が誇る雇用文化は社会保障等を総合勘案すればそう簡単に変わらないため、あくまで一部層での動向という意図です

 

最初は

「個人ベースのキャリア、大いに結構!その方が色々な仕事にチャレンジしたり、色々な人と働いたりして、自由なキャリアを歩める!」

と礼賛していたのですが、ふと冷静になり、

「ホントに自由なのか?」

と疑問に思ったため、愚問自答してみます。

 

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実感値として個人ベースのキャリア形成のトレンドは確実にあり、僕の周囲の人々も独立・起業、転職、副業・兼業をしています。

 

しかもスゴイのは、みんな仕事に引っ張りダコかつ家族と安らかな生活を送られているようでして、それであれば優秀な人ほどササッと独立・起業、転職、副業・兼業するのも自然と思いました。

 

そういうわけで僕の場合どうなるだろう?と頭でシミュレーションしたわけですが、具体的に働くイメージを描いてみたところ、

「ありゃ、思ったより自由ではないぞ」

と思ったわけです。

 

例えば、最もポピュラーな独立・起業の方法として「独立コンサルタント」があります。

独立・起業した先輩・友人の話を聞くに、コミュニティに属していると、中で案件を紹介し合って、独立した個人がチームとしてコンサルティングを行うことも多いようです。

また昨今ではICマッチングサービスも充実しており、コミュニティに属さなくても傭兵としてコンサルティングを行える仕組みがあります。

 

僕が自由ではないと思ったのは

「仕事における規律やクオリティは全然個人ベースではない」

という点です。

 

例えば独立コンサルタントがチームで仕事をする際、組織ではないため明文律はないわけです。

そうなると、いわゆる「職業倫理」が一つの規律やクオリティの代替となると思います。

つまり仲間内やコミュニティにおいて、「これはさすがに守らなきゃプロじゃないでしょ」

という基準が暗黙にあり、それを守れる人に案件が紹介される…という構造です。

この「職業倫理」というのが曲者で、人によってかなり異なるのです。

 

例えば僕がコンサルティングをやるときは

「クライアントに提示する選択肢には必ず白黒をつけてレコメンドする」

というポリシーを持っています。

一方で、他のコンサルタントには

「選択肢を提示することが仕事であり、判断はクライアントがする」

と言う方もいます。

 

こんなシンプルなことでも、一概に倫理やプロフェッショナリズムは定めづらいものです。

もちろん犯罪や公序良俗に反することは論外ですが、それ以外のことも、何となく多数決というか同調圧力的に規律・クオリティが決まるととても不自由と思いました。

(僕自身が自分基準のクオリティに異常に固執するという事情もあります)

 

一方、ICマッチングサービスの場合は、基本的にはクライアントのレーティングがダイレクトに響きます。

米国の配車マッチングのUberがあれほどサービスクオリティが高いのも、レーティングと登録可否が直結しているからと聞いたことがあります(違っていたらごめんなさい)。

 

そうするとどうか。

規律・クオリティはクライアントにより毎回ケースバイケースになります。

これもまた不自由と思いました…。

 

規律・クオリティについては、コンサル会社に所属していた方がキツイのでは?と思われるかもしれません。

もちろん、大きな会社ほどクオリティ基準はあり、それに適合できなければアウトではあります。

ただ、一度そのバーを超えさえすれば、クライアントは納得済みで発注するため、実はかなり自分主導でクオリティコントロールが可能という側面があります。

もちろん会社に所属するということはフィーや労働管理上のルールにも適合する必要があるので、そのあたりは不自由といえば不自由です。

 

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おそらく、何に対する自由を求めるか?という点に尽きると思いますが、僕の場合はMBTIでみても世界観的なものが強い傾向にあるようなので、仮に個人ベースのキャリアを突き詰めても人と共同する上では必ずしも自由にはならないかもしれないと思ったわけです。

まぁ、単に僕がコミュニケーションに問題のある人間ということなのかもしれませんが。。

 

結論:

何に対する自由にこだわりがあるかの見定めが肝心!