日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「『就社ではなく就職』が難しいのはなぜか?」

昨今の状況に鑑みると、意味があるのか疑問ではありますが、就職活動(企業からすれば採用活動)の解禁(漁猟じゃないんだから...)が6月ということで、就活関連記事を見かけることが増えました。

 

そのなかで一定割合あるのが、『就社ではなく就職をしよう』というもの。
つまり、『会社で喰っていくのではなく、自分の手についた職業・職能で喰っていく』という論です。

この言葉、調べてみると20年くらい使われており※、内容も本質的であるため今や一般的な正論になりつつあります。
(※ネットでサッと調べたら2002年の記事までは見つかりました)

僕も新卒で入った会社をDIO様並みに「俺は会社をやめるぞぉ~」と辞めたときは、御多分に漏れず『これからは就職だ!』と熱く思ったものです。

 

ただ、ナイスミドルになると「いやいや...職業・職能にコミットするって難しいよ」と思ってきたので、愚問自答してみます。

 

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確かに『会社に就く』より『職業/職能に就く』の方がポータビリティが高いため現代的です。

ただ、僕個人の経験から言えば、以下2つの側面から『職業/職能は滑らかに変形』し、それが就職の難しさの要因と思っています。

 

 

1.時代に応じて新たな職業・職能が生まれる

モノの記事を読むと、AIエンジニア、セキュリティスペシャリスト、データサイエンティスト、デザインシンカー…と言った職業が世界的に需要が高いらしいです。

こういう仕事は20年前にはホワッツ?、というか存在していなかったと思いますが、それがここ数年でキラキラになった、言わば『爆誕系職業』です。
いまや市民権を得たコンサルタントというのも、30年前には爆誕系的に見られていたことでしょう。

爆誕系は、「なるぞ!」と心に誓って就くのではなく、「何となく人とちょっと違うことをしていたら、その仕事に一般名詞がついた」というのが正しい表現と思います。

そんな感じで時代に応じて新たな職業・職能が爆誕するため、海賊王のように「俺はなる!」と、学校を卒業する段階で決め打ちして『就職』しづらいのが現状と思います。

 

なお『喰っていく』という観点での余談ですが、爆誕系職業は第1~第3世代くらいまでは給料も爆高です(話題になりましたが新卒で1,000万円とか)。

ただ就職ランキングで上位に出てくるあたりから『コモディティ化』し始め、給料はそれなりに維持されますが、その分、使い倒されストレスが多くなる傾向にあります。
30年前の爆誕系職業であるコンサルタントはもう第何世代か不明ですが、5年くらい前からコモディティが混ざりはじめた臭いがします(もちろん、ホンモノで優秀な方も多いです)。

 

2.自分の興味や強みがジワジワと変わる

 

僕自身がそうなのですが、『気付いたら主たる職能が変わっていた』ということがあります。

例えば、僕の場合...

メーカの人事→戦略コンサル→人事コンサル→政策研究→メーカの事業企画

と意味不明な職業遍歴ですが、別に最初から予定していたわけでないです。


いつも『そろそろ他のことしようかな』と漠然と思って職探しや異動先探しをしており、正直、計画性は皆無です(こんな体たらくなのにキャリアの最初が人事というのが我ながら味わい深い)。

こういうことを言うと、たまに『器用貧乏』『信念がないのか』『遠回しの自慢か』と大変暖かい言葉をかけていただくのですが、個人的には結構な悩みで、
「できることなら1つのことに打ち込みたかった...」
と、人知れず悩んでいるのです。

ただ、どうしても興味の移り変わりには抗えないのも事実で、おそらく今後も興味と直感の赴くままに、人材要件の扉をこじ開けてキャリアチェンジしていくことでしょう、多分。

 

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結局、僕は就社にも就職にも向いていないのだと思います。

そういう人間がコミットするのは己になるため、『就己』とでも言いましょうか。
(『仕事でなく志事』みたいな臭いを感じますが...)

 

結論;

なぜ難しいかは、自分に素直すぎるから。