愚問自答「"働かないオジさん"は実在するか?」
誰が言い始めたか、2018年中盤は"働かないオジさん"がビジネス誌界隈でちょっと賑やかになった記憶があります。
僕が記憶している範囲では、もとは2014年に楠田新氏が「働かないオジサンの給料はなぜ高いのか」という本を出し、追ってダイアモンドでも記事が出ていました。
https://diamond.jp/articles/amp/105312
当時から素朴に「世の中、そんな人実在するの?」と思っていたのですが、周囲の声を聞く限り、どうやら都市伝説ではないようなので愚問自答してみます。
この愚問のポイントは
「"働かない"とはどういう状態か?」
という点と思います。
そこで一般的な人事評価要素(業績、行動、知識・能力、姿勢)の側面から噛み砕いて考えてみます。
1.業績
いわゆる成果、結果を出していれば、"働かない"と後ろ指をさされることは少ないと思います。
微妙なのが部下の働きにより成果達成していて、本人は指示も助言もせず左団扇だと、"働かない"と言われそう。
ただ、正直、成果や結果は本人の努力以外の要素もあるので、ここだけを取り立てるほど日本社会は厳しくないかと思います。
2.行動
日頃のアクションとして何もしていないように見える場合は、批難の対象になるかと思います。
難しいのは、職種の違いによる認識ギャップです。
例えば、コーポレート部門、とりわけコンプライアンス・リスク管理、文書管理などの場合、
本来的にはこの部署の方々は忙しくないのが会社として適正な状態とも言えるので、はたからはノンビリしてるように見えるかもしれません。
3.知識・能力
世の中の動態に応じて新しい知識・能力をキャッチアップせず、過去の蓄積で何とかできる場合は、営業、開発などと比較して、"働いてない"と見えるかもしれません。
ただし、これも知識・能力のライフサイクルの違いで、例えば経理財務も国際会計等はダイナミックですが、基本的な考えはそうコロコロ動くものでもないです。
4.姿勢
大部分はこの要素かもしれません。
どうもやる気が感じられない、危機意識がない…等、要するに覇気がないと、"働く気がない"ように見えるかもしれません。
加齢によるので仕方がないとは思いますが、周囲の士気を下げるような振る舞いがあると批難の対象になるのでしょう。
ちなみに、2.行動と3.知識・能力については職種の要素もあり、これはバランスド・スコアカードの観点で深掘ることもできます。
財務の視点→顧客の視点→プロセスの視点→学習と成長の視点、で、
いわゆるコーポレート部門はプロセスや学習と成長の視点に関連する職種となり、財務成果とは少し距離があります。
そうすると、バリバリ最前線な方からは「何も貢献しないでノンビリして…」と見えるかもしれません。
こうして整理すると、"働かないオジさん"なのか、"働いてないように見えるオジさん"なのか、区別がついてくると思いました。
結論:"働いてないように見えるオジさん"はいそう。ただし、職種に由来するものの場合は、その点を考慮し、その上で姿勢面が悪ければ"働かないオジさん"になるのでしょう。
ちなみに僕はキャリアのスタートをコーポレート部門でスタートしているので、このあたりはあまり厳しく見ないようにしてます…