愚問自答「どうすれば数字に強くなるか?①」
3カ月もほったらかして、気づいたら2021年になっていました。
スミマセン…。
さて、今回はたまに相談を受ける「どうすれば数字に強くなるか?」ということについて書いていこうと思います。
ちなみに僕自身は数字に強くない、というか元々は結構弱い方でした。
幸か不幸かコンサルタントという仕事についてしまったため、仕方がないから克服したのですが、そんな僕の視点でいうなれば数字に強くなるのには以下の2段階があると思います。
【STEP1】「コイツ、数字弱いな...」と思われないようになる
【STEP2】「この人、数字に強いね!」と思われるようになる
僕の場合は、STEP1で滅茶苦茶に苦しんでいました。
「お前に数字は触らせられない」と言われてトイレで泣いたこともあるくらいですww
コレ、結構きついですよね。
2回に分けて、そんな傷心の僕がどうやって克服したかを愚問自答していきます。
今回は【STEP1】「コイツ、数字弱いな...」と思われないようになるについてです。
1.数字に関するよくある誤解
一応、僕も上司という役割を担っているのですが、確かに若手に対して「コイツ、数字弱いな...」と思うことがあります。
そして何人かを見ながら以下のことに気付きました。
・仕事の数字力は、数学の成績と関係ない
僕自身、数学はそこそこ得意でしたが、仕事ではダメダメでした。
若手を見ても、絶対に受験時代は数学が僕よりできたはずなのに弱いな…て思います。
(ちなみに数学修士出身の若手はさすがに数字に強かったです笑)
・いきなり勉強して知識で克服しようとする
ありがちな話ですが、いきなり統計の教科書読んでも使わなければ一向に数字に強くなりません。
他にもモンテカルロシミュレーションとか知っていても、使わなきゃ意味ないですよね。
(僕も職業人生で2回しか使ったことないです。つまり一般的な人生では無用です)
・センスだと思っている
これも多い!僕自身がそうでしたが、センスなんかなくても努力で人並み以上になれます。
実際、これまで仕事で会った人のなかで「数字のセンスあるなぁ」と思ったのは2人くらいです。それ以外はそれほど変わり映えのない感じです。
逆に言えば、「センスないなぁ」と思ったのも2~3人くらいです。要は「慣れ」ですね。
2.上司や同僚が「コイツ、数字弱いな...」と思う場面
では本題に入ります。
かつての自分もそう思われていたのだと思いますが、僕が若手を見ながら
「コイツ、数字弱いな..」
と思うのはこういう場面です。
ひっくり返すと、この①~④さえ出来ていれば数字が弱いと思われません。
で、どうも世の中の社会人は数字に弱い人が多い(らしい)ため、相対的に数字に強いと思われることもあります!
では次節から対策を解説します。
3.基本的な数字を頭に入れる
これ、一見
「日○新聞を隅々まで読んで頭に入れろ~。なんならヤギのように喰え!」
というように聞こえるかもしれませんが、そんなことはないです。
例えば「新事業で売上100億円を目指す」と言うニュースをみた際に『大きいか、小さいか』を瞬時に判断できれば良いのです。
つまり、比較するための物差しをいくつか頭に入れておくということですね。
売上高100億円については、例えば1兆円企業だと1%ですから「2-3年で到達する最低限の目標」という意味になりますし、1億円企業だと「5-10年後の目標」ということになります。
ちなみに売上高100億円というのはCMでもおなじみの「出前館」(20年8月期)がそれくらいです。
つまり、単一サービス/マッチングモデル/手数料収益という基本的なビジネスモデルで、カバー率向上によって達成できる金額ということになります。(詳しく事業内容確認しないと断言はできませんが)
もちろん実際は大変とは思いますが、まずは「理屈の上でどれくらい」が分かることが大事。
つまり大事なのは「数字に触れる」ということです。
「じゃあやっぱり○経新聞をムシャムシャと…」と思うかもしれませんが、それも必要なく「気になったときに検索する」でOKです。
例えば「平均昇給率」「平均株価」「コンビニ 売上 店舗 1日」とかで調べれば、大抵のことはすぐにわかります。
大体1回につき10秒くらいで終わるので、日常的にその10秒の手間を惜しまないことが第一歩でしょう。
4.指標の意味を理解する
よくある話ですが、ある会社について「営業利益率が高いからこの会社は良い」と言われることがあります。
が、いわゆるデジタル企業では営業利益なんて低空飛行で、「ずばり売上高のCAGR(年平均成長率)のみ重要!」ということは多々あります。
上司からすれば「あなたの根拠のない判断軸で勝手に営業利益率だけで善し悪しを決めるんじゃない」ということです。
または、不動産会社の分析なのになぜか貸借対照表を一瞥もしていない人もいました。
これも営業利益だけ見て善し悪しを判断していました(しかもなぜか額)。
大事なのは「なぜその指標をみるか?」を説明できるレベルで理解するということです。
これは数字そのものより、数字をはじくときの目的意識を明確に持つということです。
逆をいえば目的さえ分ければ、例のごとく「成長率 指標」とかで検索すれば、計算式・指標自体はいくらでも出てきます。
とはいえこれでは精神論の世界を出ないので、どの指標が大事かを具体的に頭に入れる方法として僕がやったことを紹介します。
それは「業界大手2社の決算説明会資料を見る」です。
しらみつぶしなので労力入りますが、これで主要な指標はだいたい頭に入ります。
ついでに上記1の基本的な数字も頭に入ります。
ちなみに最近海外企業で見られているROICとかも、真面目に意味を考えると結構難しいです。
5.計算力・エクセル力を鍛える
暗算が速いと頭よさそうに見えますが、ここでいう計算力とはそういうことでなく、
「チェックするクセ」
を指します。
これは本当に言えるのですが、数字に弱い人の9割は計算ミスが多い!
ミス自体は誰しもしますが、むしろ「なぜチェックしない!?」ということが大事です。
例えば先ほど挙げたCAGRでは、計算方法は累乗根なので、検算は初年度の数字にCAGRを最終年までかけて、最終年の金額に一致するかを見ればいいのですが(植木算の掛け算バージョン)、それをしない人が実に多い!
僕も昔は計算ミスばかりしていましたが、あるときに
「計算した後に検算しないのは、トイレの後に手を洗わない、食事の後に歯を磨かないくらいヤヴァイことだな」
と自分に言い聞かせるようになり、それから計算ミスが減りました。
もう一つ、数字に弱い人はエクセルがとにかく汚い。
エクセルのご法度集は色々出ていますし、投資銀行出身の人のエクセルの本を1冊読めば十分だと思います。「ま、きれいとか汚いとかは好みだよね!」といって実践しないといつまで経っても、産業廃棄物的なエクセルファイルが世に出回ります。
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というわけでツラツラ書きましたが、要するには
・日ごろから気になる数字は検索しておくこと
・計算した後は検算すること
・投資銀行出身者のエクセルの本を読み、実際に打ってみる
の3つを気を付けていれば大丈夫です。
次回は【STEP2】「この人、数字に強いね!」と思われるようになるを書きます!