日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「なぜ論理的でないか?」

先日友人と「論理的とは?」という話題になり、そのときに考えたことについて愚問度増し増しで再考してみました。

 

こういった世情もあり、テレビを観る時間が長くなるとコメンテータ殿の発言に

「うーむ…理屈が…ない…!」

と思うことは多々ありますが、そうでなくても、仕事をしていると誰もが一度は

「それっておかしくない?」

的な指摘を受けたことがあると思います。

説明の順番、数字の予測、はたまた物を運ぶ順番などなど、どうやらどんなことでも『論理』『理屈』『考え方』というものがあり、そこから逸脱すると「論理的におかしい」と指摘(と多くの場合は再提出を要求)されるわけです。

 

ただ、この「それって論理的におかしくない?」という指摘は、

「お前はバカか?」

と言われているような気がするため(そして言っている側は言下にそのニュアンスがある)、なるべくならば言われたくないなぁと思うものです。

 

僕自身、20代後半~30歳くらいまでは「論理的でない」と言われたら、脳内でゴングが鳴り、

「いやいや…。何をおっしゃいますやら。あなたこそ…」

と反撃していましたが、最近はむしろ「なぜ論理的でないと思われたのか?」の方に興味がわくようになりました。

(あとは、ナイスミドルになると教育不能と思われるのか指摘という名の愛ある指導を受けることが少なくなったのでしょうね)

 

そういうわけで今回は「なぜ論理的でないか?」というタイトルで考えてみます。

 

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人から「論理的でない」と指摘を受ける背景として以下4つがあると考えました。

(ちなみに他を含めて愚問自答では項目提示をしてますが、全然論理性のチェックをせずに好き勝手書いてます)

 

1.説明に論理性がない

2.自分の論理と相手の論理にすれ違いがある

3.本当に論理的でない

4.実は情理の問題

 

【1.説明に論理性がない】

 

『考え』は論理的だけど、『説明』に論理性がなくて『伝わってない』というパターンです。

特にWordの文書とかで多く生じている気がします。

よく言えば「思考>>>説明力」、現実的には「説明力<<<思考」ということで、

「詳しく話を聴くと面白いんだけど、すぐにそれが伝わってこないから、もうちょっと説明を工夫してちょうだいな」

というものです。

大切なのは「伝わらなかったからと言ってアイディアそのものが間違っているわけではない」というのを、相手も自分も心得ておくことが大事です。

 

【2.自分の論理と相手の論理にすれ違いがある】

 

案外これが多いんじゃないかなと思います。

僕の持論では論理性というのは大まかに「B/S型」「P/L型」の2つがあります。

「B/S型」というのは、貸借対照表のように対象の事象をスナップショットで切り取って、MECEで整理するタイプ。

「P/L型」というのは、損益計算書のように「最初にこうで、次はこうで…そして、最終的にこう」と、順序を整理するタイプ。または三段論法とかもこのタイプ。

 

このタイプの違いは結構溝が深く、お互いに自分は徹底して論理的に考えたつもりでも相手の論理にフィットせず、しかも相手の言うことにも一理あるため、なかなか難しいです。

偏見で言うなら、コンサルタントはB/S型が多く(というかMECEができないと仕事でめちゃ怒られる)、その他の職種はP/L型が多い印象です。

優れたコンサルタントは「思考B/Sかつ説明P/L」ができ、優れた事業会社パーソンは「思考・説明P/Lかつ説明捕捉B/S」ができたりします。

 

ちなみに僕はP/L型のため、B/S型整理はかなり苦手でしたが、若気の至りでコンサルタント職に就いていた当時は叱咤激励、主に叱咤を受けながら「B/S型」的思考を勉強していたものでした。

 

ちなみに「真のB/S型」は上記の整理について「C/F型がないじゃん」という指摘を0.3秒くらいでしてくる猛者です。

(そこんとこ、B/S型でない僕は何となく「うまいこと言ってみたアナロジさん!」という気分で満足になります)

 

【3.本当に論理的でない】

 

キャリアを積むほどそうなるのですが、「妥当だけど論理的でない」ということになりがちです。

 これは経験則とか直観が鋭くなるあまり、それに頼って論理的なチェックを怠ることに原因があったりします。

『結果的に正しければよい』という発想もありますが、『再現性がない=属人・タコつぼ化する』という弊害もあるため、本当に論理的には再現不能なもの、例えば芸術的な仕事以外はこういったことは避けた方がよさそうです。

 

【4.実は情理の問題】

 

これもたまにあります。

「言っていることは正しいけど、コイツにだけは言われたくない」

みたいなパターンです。

こうなると、論理性をいくら磨いても仕方がないので、情理に気を配る方にエネルギーを割いた方がよさそうです。

 

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そんなわけで久々に書いてみました。

こういった世の中ですが、愚問まで自粛する必要はないため、今後も思いつくまま徒然に書します。