日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「指導は厳しい方が良いのか?」

先日、若手から受けた相談で「父親の目線としてアドバイスをいただきたいのですが...」と言われ、時の重みをとみに感じたナイスミドルです。

 

さて最近5年ほどは、(会社またいで)自分の部署・チームの若手を育成・指導する役割を担っているのですが、どう接すれば良いかはいつも悩ましいものです。


「やっぱり厳しい方が人は伸びるのかしら?長い目で見れば本人のために厳しく指導した方が良いのだろうか…?」
と思いつつ、他方、
「あー、でも自分は優しく指導されてきたからなぁー。厳しく言われるのはイヤだし…」

と思考が右往左往する日々を送っています。

そういうわけで、今回は「指導は厳しい方が良いのか?ということを愚問自答してみます。

 

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まず、「優しい/厳しい」について僕の頭の中にあることを図で記します。

 

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①平和主義者:自分に対して負荷をかけない分、人にも優しい
②お節介:優しい自分を「甘い」と思い「あなたのためだから…」と人に厳しい
③ハードボイルド:自分にはストイックだけど他者には強要しない
④マッチョ:限界を突破した先の世界に誘おうとする

 

感覚値ですが、僕の周りはやたらハードボイルドとマッチョが多いんです。多分8割くらいが『縦軸、自分に厳しい系』です。
コンサル/シンクタンクは育成のされ方で自分に厳しくなる傾向にあるんでしょうね。

で、僕自身は①平和主義者と自称していますが、どうも周囲の話を聞くと仕事中は④マッチョらしく、自己評価と他者評価は違うものだなぁと思います。

では、指導という観点ではどう接するのが良いか、タイプ別に考えてみましょう。

なお、「仕事ができる/できないで印象が変わる」ものと思いますので、いったん全タイプで自分は「仕事ができる」という前提にしておきましょう。

 

 

 

①平和主義者 ⇒ 慕われるけど、時々ナメられる

自分にも他者にも優しい平和主義者。これで仕事も支障なく回っていたら最高ですね。
平和主義者は『自分の才能・能力の限度を知っている人』だと思います。
それゆえに自分自身がつぶれないように無理をせず、かつ他者にも同じようにつぶれないように無理をさせない...という理屈が働いているのでしょう。

このタイプ、一見すると「すげーいい人じゃん」という印象で、実際慕われることが多いです。仮に慕われる...とまでいかなくても「いい人だよね」と好評価だったりします。

ただ、基本的に力をセーブする/ 無理をしないため、『仕事ができる(また自分でそう思っている)若手』からはナメられる可能性があります

ただ、真の平和主義者は若手にナメられるくらいのことは気にしないため、やはりこの境地を目指したいな...と思います。

 

②お節介⇒基本的に嫌われるが幸せな人

自分に優しかったことを「甘かったな...」と悔やみ、他者には「あなたのことを思って敢えて厳しく...」と接するお節介タイプ。
かなり少数ですが、たまに見かけます。

このタイプ、根本的には良い人と思います。ただ、悲しいかな「お前には言われたくない」と嫌われてしまいます
一昔前の昼ドラのお受験シーンとかで出る『自分は受験しなかったけど小学生の子どもにはお受験を強要する親』を見て、じんわりと嫌悪感を抱きこそすれ、好意を抱くことは少ないと思います。

そういうわけで言動不一致さ加減からあまり誉められたものではないですが、このタイプ、自分自身はとても献身的で良いことをしているという自意識なので、ある意味幸せな人だなぁと思います。

 

③ハードボイルド⇒尊敬されるが距離も置かれる

このタイプは自分への厳しさを自覚しており、その辛さを知っているが故に他者には要求せず優しくする...ということで、なかなか渋いです。渋さゆえに結構尊敬されます。

若手の飲み会(昨今はそんなもんもなくなったのでしょうが)でも「○○さん、マジすごいわ。それでいて下には優しいからソンケーだわー」と影ながらリスペクトを受けることでしょう。

ただ、このタイプは一目も置かれるけど距離も置かれます。
つまりこのタイプが受ける尊敬は「自分は同じようにはなれない」の裏返しでもあり、あまり深く立ち入らないようにされるのです。
まさにハードボイルド!傷だらけのヒーローですね。

個人的な観察経験からいうと30代のハードボイルドは尖りすぎてて厳しいですが、40代になると年齢と渋味が調和して、『それはそれで愛嬌のあるキャラ』となれば距離も縮まると思います。

 

④マッチョ⇒マッチョはマッチョに惹かれる

スタンドつかいは...と同じですね。
コンサル時代に圧倒的に多かったのがこのマッチョタイプですね。むしろマッチョしかいなかったんじゃないか?
「マジ鬱だわー」と苦労を愚痴りながら最終的に何とかこなし、仕事を終えたときの爽快感で苦労をケロリと忘れる...。
または『成長』の二文字さえあればどんな苦労にも感謝できる...。
苦労に感謝できるようになれば、そんなアナタはマッチョです。 

マッチョの場合、マッチョ気質のある人同士であれば最強ですが、全然マッチョ気質のない人と組んだ場合、パワハラ認定リスクが活火山のごとく沸き上がるので要注意です。実際、僕が「おー、この人マッチョだなぁ」と思っていた人の3人に2人はパワハラで人事や上司に報告/相談されています。

 

ちなみにコンサル業界でマッチョが多いのは至極単純で、

・負荷がかかるだけの仕事量が恒常的にある
・「苦労したくてコンサルの道選んだんでしょ?」という雰囲気がナチュラルに存在

の2つの要因があり、これは多分ずっと変わらないでしょうね。

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そんなわけで、若手との接し方というのはなかなか難しいです。
ものの本では『相手に合わせる』という回答が書いていますが、必ずしも正解でない&相手も自分を理解していない、というところに難しさがあるので、まずは自分をよく知ろうと思ったわけです。

改めて横並びで見てみると、やっぱり平和主義者が良さそうだな...と思いました。
(↑単に自分に厳しくするのがイヤなだけ)

 

結論;

ナメられても気にしない平和主義者でいたい!