愚問自答「採用面接で給与や休日に関する話はNGなのか?」
就活に関するネット記事を読んでいたら、"レベルの低い質問"として条件面の話が出ていました。
自分が学生時代のとき、給与や休日、残業時間に関して聴くのは御法度ということが定説、マナーのようになっており、
「そういうものか」
と刷り込まれていましたが、今になると、それも妙な話と思えてきました。
ということで、本日の愚問自答は「採用面接で給与や休日に関する話はNGなのか?」とします。
そもそも中途採用の場合は条件交渉は当たり前、というかこちら(求職者)から聴かなくとも、向こう(採用者)からいくらが希望か質問してきます。
これはこれで基本的には向こうのモデル給与がベースになるから、むしろいくらまで出してくれるか、その場合の評価水準はどれくらいかを聴きたいですね。
では新卒採用では処遇条件の話はNGなのでしょうか?
このテーマに関して色々な見解を調べるに、おおよそ以下3点から「新卒採用の面接で処遇条件の話題はNG」とされているようです。
1.「ホームページや就職四季報に載せてるから事前にチェックしなさい」論
2.「30歳くらいになると差が生じるから何とも答えられない」論
3.「給与で会社を決めるなんて卑しい人は採用したくない」論
それぞれについて「ホントにそう?」と思ったので、悶々と考えてみます。
1.「ホームページや就職四季報に載せてるから事前にチェックしなさい」論
確かに初任給は掲載されていますね。
ただ、意外に他の条件(休日、残業等)は企業によって書いていたりいなかったりですね。
いやいや、うちは残業時間も載せてますよ、という場合も、その数字がどのような前提かまではさすがに書いていないでしょう。(全社員平均は意味があるようで無い)
休日数も、有休取得率まで載せることは珍しいですよね。
全ての学生さんがそうかは分かりませんが、彼ら彼女らの真意は、
「働き方」について何かしら実践しているなら包み隠す必要はないでしょう?
というあたりにあるのではないでしょうか。純粋に語彙量の問題で、そう言えないだけで。
2.「30歳くらいになると差が生じるから何とも答えられない」論
モデル給与があるだろうし、仮に無くても人事がこれを即答できない場合、(人事施策としての)給与管理ができてない可能性があります。
給与管理ができてない、ということは何かしらのインセンティブによる変動要素が大きい、とも読み取れます。
(そのこと自体の善し悪しは各人の好み)
色々と分析すると、業種によって歴然とした給与格差はあります。ビジネスモデルというか粗利率でおおよそ決定します。
ただ、給与が高い業種は社内競争が激しい、プレッシャーが半端ない、周囲から嫌味を言われる等で、世の中に美味しい話はありません。
ということを言えば納得のような気もしますが、皆、そこまで分析してないのでしょうかね。(公開情報をエクセルで2時間くらいイジれば分かるのですがね)
3.「給与で会社を決めるなんて卑しい人は採用したくない」論
これが一番多かった印象を受けます。
これは一部共感しつつ、一部では世の中見るとそう甘くはないよと思いました。
共感するところとして、まずは業種・職種への志望を聴くことは、将来の活躍イメージを具体化して掘り下げる工程で求職者・採用者の双方にとって、非常に大事なので、そこを重視する姿勢は良いかと思いました。
他方、新卒採用と中途採用の垣根を外し始めた会社はこの手の処遇条件を堂々と出してくれます。
それくらい、優秀な人材の惹きつけに本気ということでしょう。
お金は全てじゃない、という気持ちもわからないでもないですが、そういう論に対し、クレバーな求職者は
「じゃあ、何が提供できるのですか?まさか"貴重な経験"、"夢"とか曖昧なことは言わないですよね?笑」
と感じているようです。
こう書くと、
「売り手市場だからって調子に乗りやがって…」
と採用者は思うかもしれませんが、売り手市場とはそういうものですよね。
当面はそういう局面が続きますので、そろそろ頭のモードチェンジか採用戦略の見直しをした方が良いです。
たまに中途採用でもこの3番目論者の会社を見かけますが、
・求職者にも生活がある
・市場価値の原理が働く
ということを知らないようです。求職者も「プロジェクトXごっこ」に付き合ってる余裕はないです。
要はこういう会社は世間知らずです。
結論:
採用者は求職者の質問の真意まで読み取れていない可能性あり。
やましいことがなければ開示すべき。