愚問自答「採用面接では、なぜ愚問が聴かれるのか?」
3月になり、オフィス街ではリクルートスーツの学生さんたちを見かけるようになりました。
さて、そんな中、ノスタルジーとともに思いついた本日の愚問自答は
「採用面接では、なぜ愚問が聴かれるのか?」
です。
(例によってウダウダ書きますが、最初にポイントを言うと、「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」の話をします。)
就活時代はもちろんのこと、僕は転職経験があるため、定点観測的に採用面接というものを受けているのですが、たまに「それ、聴いてどうするんだ?」という質問に出くわします。
例えば、実際にあった質問&僕の回答としては…
Q.あなたは和食、洋食、中華でいうと何?
A.バイキングです。何でもあります。
Q.あなたは色でいうと何色か?
A.虹色です。国によって構成色数が変わるので、見る相手次第です。
Q.あなたは周りからどういう人と言われるか?
A.親しみやすい人。(これ、今だったら「とにかく明るい人」と答えたい)
Q.あなたは動物で例えると何だと思いますか?
A.歩き方はゴリラっぽいと言われます。
まさに愚問!
ホント、それ聴いてどうするんだ?という感じですね。
ちなみにこの手の愚問は、外資では0、日系の、しかもトラディショナルな会社で頻繁に聞かれます。
では、日系の採用面接官は愚かなのかというと、そうでもありません。
彼ら彼女らも、ちゃんと理由があって、上記の愚問(と見える意味のある質問)をしているのです。
この一見意味のなさそうな愚問をする意味は「切り返しからキャラクター・人柄を見る」です。
キャラで採用するんじゃない!
というツッコミもありそうですが、
日系企業の新卒採用の判断基準の8割はキャラ、2割が経験値、といったところと(個人的には)思います。
これは、日系トラディショナル企業はゲマインシャフト的(共同体的)企業運営が1930年代から長きに亘り染み付いている故の、自然な流れです。
平たく言うと、日系トラディショナル企業は「偉大なるムラ社会」なので、「ムラの人とうまくやっていけるか」が大事なのです。
スキルは後ほどジックリ教えれば良いので、「ムラの一員としての適性」を見定めるために、キャラ診断をするわけです。
他方、外資はゲゼルシャフト的(実用主義・機能的)企業運営が主となります。
すると、「(伸び代含めて)どれくらい業績貢献してくれるか」を中心とした質問が中心となります。
(僕は外資もそこそこ面接受けたり、一時期は勤務までしていましたが、愚問してる余裕もない、という感じです)
ちなみに、一般的な誤解で「日系は優しく、外資は冷たい」というものがありますが、
日系→外資→日系というキャリア経験から言うと、全然そんなことはなく、
日系企業の「村八分」という得意&必殺技ほど陰湿なものもないです。
(日系、外資の話はまた別の機会に)
尚、今回取り扱ったような愚問面接において御法度は
「その質問、何の意味があるんすか?」
というのも、困りものです。
正論なんですけどね。。。
結論:
愚問のようであり、愚問ではない。
ムラ社会の村人Aを探すための生活の知恵的質問。