日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「コンサルタントになることのメリットは?」

早めにアポ先についたため、近くのカフェで時間をつぶしていたのですが、たまたま前の席のナイスミドルと若手社会人の会話が耳に入り、興味深かったので聞き耳を立ててしまいました。

 

シチュエーションとしては、

・広告代理店に勤めているであろう若手がナイスミドルに転職相談をしている

・ナイスミドルはコンサル会社にいるようで、アドバイスをしている

・2人はおそらく初対面だけど、大学の同窓っぽい

というものかと推察しています。

 

このナイスミドルな先輩社員のアドバイスがなかなか紳士で、特に印象深いのは、

コンサルタントになったからといって今後のキャリアが薔薇色にはならない

コンサルタントのスキルは汎用的ではあるがそこから先の転職時につぶしが効くわけではない

コンサルタントが事業会社に転職する場合、何かしらの職種の上にコンサルスキルを活用する。例えば経営に進言ができる経理財務、ある特定製品の事業戦略等

ということで、思わず「良いアドバイス!」と拍手と握手をしそうでしたが、不審者がられるので自重しました。

 

前置が長くなりましたが、素敵な愚問を偶然いただいたので、今回は「コンサルタントになることのメリットは?」ということを考えてみます。

※前提として僕はたまたまコンサル業に身を置いてましたがコンサルタントとしては全く大成していないため、あくまで一つの愚問自答としてお読みください

 

さて、なんだかんだで10年近くコンサル界隈をうろついた経験から、以下のことを考えました。

 

1.コンサルタントにも色々ある

2.コンサルスキルは万能ではない

3.スキルと幸せなキャリアは別

 

それぞれ書いていきます。

 

1.コンサルタントにも色々ある

 

ご存知のとおりコンサルタントは資格不要で名乗れるため、定義できないほど有象無象です。

以降ではとりあえずコンサル会社に所属する人(そこから独立した人)をコンサルタントとしておきます。

コンサル会社については人材紹介会社で上手に区分けされていますが、ざっくり言うと、戦略系、機能系、FA系、総合系、シンクタンクがあります。

(それぞれの定義と個別社名は適宜人材紹介会社のサイトを参照ください)

 

一口にコンサルスキルと言っても担当するプロジェクトにより異なりますが、総ずればカッツモデルの3つに準じると思います。

つまり、専門性(業界や機能)、地頭(整理力、問題解決力)、対人(コミュニケーション)において、専門性はそれぞれの所属で異なるけど、コンサルタントは業務上、営業提案〜実行支援〜フォローアップを一通り担当するため、これらのスキルをまとめて身につけることはできると思いました。

特に地頭については、情報整理力はコンサルタントの必須要件のため(もちろんそれだけでもあまり役には立ちませんが)、否が応でも習慣として身につきます。

 

その意味では、上述のナイスミドルが言う通り、コンサルタントとして一定の経験を積むと汎用的なスキルは習得できると思いました。

 

2.コンサルスキルは万能ではない

 

これは上述のナイスミドルと若手の会話の通りですが、肝は

"汎用的なスキルが身につく≠どこでも働ける"

という点と思います。

 

仮に、"化学製造業に詳しい"としましょう。

一見、"化学製造業に転職すれば良いじゃん"と思えますが、業界に詳しいのと実務ができるは別問題になります。実務で活躍するには業務経験が必要です。

 

また、"情報整理力が高い"という場合も、単に"頭の良いお兄ちゃん/お姉ちゃん"の域を出なかったりしますし、今日においては地頭の良い人はゴロゴロいます。

僕自身、最初にいた会社の方に会うと毎回、「やっぱこの人たち僕なんかよりハイパー頭良いな〜」と素直に思います。

 

よって、仮にコンサルタントのスキルを身につけたとしても、それで終わらず、"転職先の実務で生きるレベルの業務経験"が必須になります。

 

実際に僕の周りでポストコンサルとして事業会社に転職したり独立した方々は、コンサルスキル×αを持っており、実務もすごくできるという印象です。

 

 

3.スキルと幸せなキャリアは別

 

最後に、スキルを高めることと幸せなキャリアは別と思いました。

僕自身、数回転職して思いましたが、キャリアにおいて大事なのは身近な人間関係だな、とつくづく思います。

もちろん、高いスキルがあれば他の人が手を焼いている仕事を代わってあげられたりできるのでプラスにもなりますが、、

何というかもっとベースの仲間意識みたいなのが大事と思いました。

 

僕自身、昔は「何をするか」ばかり考えていましたが、最近は「誰と(どんな人と)働くと楽しそうか」を見ています。

 

そういうわけで、カフェのナイスミドルはすごいなぁと思うとともに、こういう人がいるのもコンサル会社ゆえ、とも思いました。

 

結論:

コンサルタントになること自体はプラスと思うけど、それは決してゴールではない。