愚問自答「学校で学んだことは社会で役に立つのか?」
就活のニュース、特に時季について強烈な違和感を覚えるのは、学校側の論旨において、学業と就活がトレードオフにあるかのように語られていることです。
要は、
・学業と就活は別物。ゆえに就活やってると学業が疎かになる
→学生の本分は学業である
→就活は極力短期間にせい
という構造で主張されているのですが、冒頭の「就活やってると学業が疎かになる」の時点でつまづいており、それは公理でも何でもないから論理的に訝しさを覚えるわけです。
個人的には、
・学校で学んだことは社会に出ても活きる
→学生時代に色々な経験を積むのは大事だけど、学生の本分はやはり学業である
→学業にしっかり打ち込むことは就活にも有効
と考えており、別に就活と学業は対立しないし、相乗的な効用もあるのでは?と思いました。
一方で、企業側も採用において学業をそこまで重視していない気もします。
特に伝統的な日本企業は情意(取組姿勢、心構え)を重視し、ともすれば「勉強だけしてる学生もいかがかなぁ…」という姿勢で採用をしていたりします。
これも僕としては「だったら年代・学歴関係なく未経験者も積極的に採用しなさいよ」と思うのですが、あまりそうならない現実もあります(だから学歴フィルターなどといった所業をしている)。
というわけで一体何に対するルサンチマンなのかよく分からなくなりましたが、上記の持論を検討する上で本日の愚問自答は「学校で学んだことは社会で役に立つのか?」というテーマでクドクドと思考してみます。
※ちなみに本稿でいう学校は、決して大学に限った話でなく、高校や専門学校を含みます(学業も同じ)。
この愚問は社会側と学校側に分けて、
1.社会で活きるスキルは何か
2.学校で学べることは何か
のそれぞれ考えてみましょう。
1.社会で活きるスキルは何か
僕の10数年の社会人経験から、社会(仕事)で普遍的に大事のものとして、
・オタクになれること(=特定テーマの掘り下げ)
・地頭・思考力
・人あたり
・ガッツ(土壇場の集中力、体力、熱狂)
があります。
これら4つ全てが揃うスーパービジネスパーソンはなかなかいないため、「強いて言うならコレかしら」と思うもので持ち味を発揮するのが良いと思います。
4つのどれを活かすかは立場によって異なり、例えば職人的であればオタクになることが大事ですし、顧問・コンサル・企画職なら地頭、管理職や営業なら人あたり、若いうちはガッツが大事になるかと。(ちなみに僕は今も昔もガッツ派)
そして大切なのは、これらのスキルは決して先天的でなく後天的であるということです。
平たく言えば「そういう状況でやってみて初めて分かった」くらいの感覚でして、僕自身、全然体育会なノリでなかったのであんまり体力はないと思っていましたが、やってみれば徹夜はさほど苦ではないということに気づきました。(好きこのんでやるもんではないですけどね)
同じように、オタク的なものもやってみてハマることもあるし、地頭も意外といけるじゃんとなります。人あたりこそ心がけや習慣次第で劇的に変わりますよね。
というわけで、社会で活きるスキルというのは色々あるけど、後天的に身に付くものと思います。
2.学校で学べることは何か
一方、学校で学べることは何か?と考えると、
・オタクになれること
・地頭・思考力
・人あたり
・ガッツ
と、社会で活きるスキルを見事に充足してると思いました。
オタクについては学業そのもので、「これは興味ある!」というテーマを好きなように探求すれば良いわけです。
地頭・思考力はオタクの延長で、単純な知識だけでなく、「これって何でだろう?」という、「ソモソモと深掘り」をすると自ずと身に付くと思います。
人あたりは交友関係ですね。ゼミでもバイトでも部活でもサークルでもよいですが、思春期ゆえに大いに悩んだり、先輩後輩との関わりで失敗しながら経験を積むと良いと思います。
ガッツはそれ以外の3つについて「これは頑張らねばいかん!」という状況を克服すれば自信がつくと思いました。個人的には学業のように自分で完結させないとどーにもならん、という状況が仕事にも近いと思いました。
というわけで、意識的に学業に取り組めば自ずと社会で活きるスキルは充足するはずなので、一体世間は何を議論しているのか不思議に思いました。
結論:
学校で学んだことこそ社会で活きると思います。