日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「組織を変えたいと思ったとき、何を考えると良いか?」

どうやら世の中『コロナ離婚』ならぬ『コロナ転職』というものもあるらしいです。

これは、在宅勤務への無理解とかで「あー、こんな会社やってられん!」ということで見切りをつけての転職活動らしいです。会社も人も有事のときに本性が出るものですね。。。

仮に転職まで踏み切らずともトップや上司の対応を見て『うちの会社はこのままではいかん!』と思うような方もいるかもしれません。

 

そんななか、暇にあかせて珍しくハーバードビジネスレビューなんぞを読んでみたら、一人の社員がリーダーシップを発揮して組織が変わる、という記事を見かけました。

 

「自分一人の力で組織の良心を呼び覚ます方法」

https://www.dhbr.net/articles/-/6501

 

記事の内容自体は「ナルホドこれは素晴らしい取り組みだ」と勉強になったのですが、『ナイス but 一般ピープル』な僕にはちょっとハードルが高いかな、と思ったのも正直なところ。

 

そこで今回は「組織を変えたいと思ったとき、何を考えると良いか?」というテーマで愚問自答してみます。

※いまいち中途半端な愚問設定ですが、「どうすれば組織が変わるか?」というのは、僕自身が組織を変えたことがないため偉そうなことは言えず、でも「組織を変えたい!」と言う人のそばに居たことはあるので、このタイトルにしました。

 

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よーく考えると、僕は約15年のキャリアにおいて自分が所属する組織の変革に貢献した記憶がトンとございません。

というのも、それなりの年数が経ったタイミングで異動や転職をしており、「こう変えよう!」という意識が芽生えるタイミングがなかったのです。

そういった経歴のため、同世代でプロパーの方々が「うちの会社は変わらなきゃいかん!」と熱く語るのを横で聞いてうらやましいなぁと思ったりしています。

 

これだけだと単にやる気のない人間のように見えますが、実はこの「横で聞く」という状態だからこそ気付くこともありまして、以下の観点で詳しく考えてみようと思います。

 

1.組織の範囲

2.変革のコスパ

3.組織と自分の距離

 

【1.組織の範囲】

 

組織規模次第ですが個人には『本当に変えたいのは半径5mの環境』と思います。

 

「うちの会社は…」という場合も、噛み砕くと「職場」でのやり取りであることが意外と多いような気がします。

例えば、同じ会社でも部署が変われば上司・同僚も変わるし、関わる人間も変わります。

そうなると「おや、案外悪くないぞ」と考え方が変わることも多々あります。

つまり『現状を会社の総称として捉えて良いのか?』ということです。

もちろん「一事が万事」という言葉もありますし、「何箇所か経験したけど全部一緒!」という声を聞くこともあります。

 

「色々な部署の様子を把握した上で全体的にうちの会社はこのままではいかん!」

という場合、会社の理念・価値観、ビジネスモデル、ルール(仕事の進め方)、評価制度etc…の何かしら/全部が、時代や競争環境に適していないのでしょう。

しかし、このようなことを変えるのは相当大変です。

 

まずは『変える必要のある組織の範囲』を見定めて『何に手を加えれば現状から変わるか』を分析することが第一歩と思います。

案外、自分の上司・同僚・部下が異動するだけで不満が解消する可能性も大いにあります。 

 

【2.変革のコスパ

 

気持ちが高ぶると「将来のために会社を変えよう!」となりますが『変えることのコスト(労力)とパフォーマンス(効果)』を冷静に整理してみることも重要です。

 

多くの場合において、「現状のマイナス面(顧客のためになっていない、社員に余計な負担があるなど)」に憤慨して、「変えなきゃいかん!」という流れと思います。

 

それ自体はとても良いことなのですが、一旦冷静になって、

 

a.変革プロセスにおいて、何人に、どれだけの労力・負担がかかるか

b.変革の効果は会社経営に正の影響はあるか

c.b-aはプラスか

 

ということを自分で計算してみることが良いと思います。

(客観性という意味では外部のコンサルに試算してもらうのも有効ですが、一度は自分で冷静に計算することが大事)

 

これは『会社を変えるという手段が目的化しないため』にとても重要です。

 

変革は一度やり始めると「やっぱ辞めた!」とは言いづらいものですので、やり始める前に「実際にやるとこれくらい大変だけど、本当にやるべきか?」を考えることが大事です。

 

その意味では『自分の頭でも考えるけど客観的な意見も聞く』という前提であれば外部コンサルタントに頼るのは有効です。

いや、むしろ組織変革こそ外部の力を借りた方が有効かもしれません。お医者さんもブラックジャック以外は自分で自分の手術はしないように、頭の良し悪しとかとは別問題で外部だからこそ出来ることも多いです。

 

ちなみにコンサル活用しなれていない場合、「でも...コンサルって継続発注のために強引に変革を進めるのでは...?」と思うかもしれません。

そういう人がゼロとはいいませんが、多くのコンサルタントは組織変革を強引に進めなくても、分析するなかで他の課題(人事制度、営業戦略、業務効率化など)を見つけ、それをテーマに再提案すると思いますから、あまり身構えなくてもよいと思います。

 

【3.組織と自分の距離】

 

上記1と2の根底として、『組織と自分の距離』についてはどこかのタイミングで紙にでも書いて整理しておいた方が良いと思います。

 

というのは、組織変革に取り組む人を岡目八目に見ている限り

「そりゃ、お前さんが不満に思っているだけでないかい?」

とツッコミたくなることもしばしばあるからです。

 

もちろん当事者として自分事として取り組むのは大事です。

この手のことに取り組む正否は最後は熱意と真心のようにも思えます。

ただ、組織と自分のアイデンティティをごちゃ混ぜにすると御破算になったときに「くそー!辞めてやる!」となるので、あまりヘルシーではありません。

 

だからといって僕のように岡目八目を決め込むのも良くないです。

岡目八目を岡目八目的に解説するならば、『岡目八目になるくらいなら参加しない方が皆のため』とも思います。

 

これも解決策の1つとして外部を頼るのが有効と思います。

つまり「気持ちは当事者、手法はプロの助けを借りる」というくらいがヘルシーな関係を保てるような気がします。

 

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コロナという明らかな非日常にいると、色々とネガティブなことを考えてしまうこともがあるかもしれません。

そんなときは「自分の問題意識は愚問かもしれない」と一度冷静になってみるのも一案です。

 

結論:

組織と自分を混ぜない!