日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「私は、転職した方が良いですか? ~続:転職って、した方が良いですか?」

前回の愚問自答は「転職って、した方が良いですか?」というテーマで、「した方が良い」という話をしました。

 

ただ、これは一般論を前提とした総論的私論であるので、例えば「自分はどうか?」という個別論ではなかったです。

 

ということで、今回は「どういう人が」という観点で、転職の良し悪しについて自答してみます。

 

なお、前回のブログをよくよく読んでみると、

・自由・自律的なキャリアを描くには転職ができるよう、スキル・専門性が大事

・スキル・専門性を磨くには、社外で他流試合をしよう!(転職は他流試合の1つの方法)

という論理構成になっており、思いっきりトートロジーじゃん!と思いましたが、これも今回のテーマである「どういう人が」という点で補足させていただきます。

(人に指摘される前に自分で指摘しておきます笑)

 

※注1 筆者自身は転職2回、社内公募異動1回と、ジョブチェンジを計3回しており、基本的にはその経験則や思考を基にしています。

(僕自身はキャリアコンサルタントではないので、プロ目線でなく、アマチュアとしての私的愚問自答になります)

 

※注2 結構踏み込んだテーマで書きますが、本ブログのスタンスはあくまで「愚問自答」であり、僕好みの論調となります。そのため、「こいつはくせぇー」と若き日のスピードワゴン卿のような心境になられた場合は、そっと温かい目で見守ってください。

 

 

さて、個人的な経験から、キャリア形成では以下3つの要素を意識しています。

 

1.やっている仕事の社会的意義(提供価値)

2.自分のスキル・専門性

3.ライフスタイル

 

そして「私は、転職した方が良いですか?」⇒「どんな人が転職した方が良いか?」という愚問に対しては、「1~3のどれかを改善したい人は転職した方が良い」が自答になります。

 

その上で留意いただきたい点として、「年代や志向により、1~3の重視度が人によって異なること」と、「あくまで自分が『改善したい!』と思うこと」があります。

 

順を追って自答を展開しましょう。

 

3つの要素はバランスが大事で、どれか1つでも大きく欠けると「キビシー」(財津一郎のごとく)状態になります。

 

例えば、、、

・世の中にとって意義のある仕事をしている!

・難しい仕事だけど色んな人に揉まれてメキメキとスキルアップする!

という状態でも「休み無し・給与ゼロ」であれば、無限に体力のある人か金銭的に余裕のある人以外は早晩キビシー状況になります。

 

または、

・専門性を活かして社内外から重宝されている!

・労働時間も裁量があり、休みも十分がとれ、給与もいい!

という状態でも「この仕事って…何の役に立っているんだろう…?」という疑問が頭から離れず、転職をする人もいます。

 

加えるなら、

・会社の事業は世の中にとって意義のあるものだ!

・給与もよくて、フレキシブルな働き方の制度!

という状態でも、周囲と比べてスキルが全然足りてなかったら、そもそも仕事を与えられず、残れません。。。

 

ということで、3つの要素はいずれもほどほどのバランスを維持することが大事なのですが、1つでも欠けるならば、違うフィールドで活躍した方が本人の幸せと思います。

 

その上で先にあげた留意点について解説します。

 

留意点1:上記3要素のどれを重視するかは年代とか志向によります。

 

例えば、20代の転職で多いのはスキル・専門性かと思います。

この時期はそもそも専門性というほどまでのスキルが確立されていないので、一度ゼロリセットし、自分が欲しいスキル・専門性を獲得するための転職はあります。

ただし、個人的な経験から思うのですが、「どこの会社でも共通のベーシックスキル」は最初のキャリアで習得しておく必要があります(転職先で「こんなこともわからんのか…」と思われるのは良いことではないので)。よって最初の会社には2~3年はいた方が良いというのが持論です。

 

30代は、環境によると思います。

自分や周囲を見る限りでは「スキル・専門性」「社会的意義」「ライフスタイル」のそれぞれが生じると思います。

スキル・専門性に自信のある人は「意義のある仕事をする!」とチャレンジする場合もありますし、「とりあえず意義とか興味ないし、スキルもある程度あるんだけど、もうちょっと休みが欲しいなぁ」と転職する人もいます。

 

40代以降は「社会的意義」と「ライフスタイル」が半々程度と思います。

 

留意点2:あくまで本人が改善したい場合に転職が1つのオプションになります。

 

僕も色々な会社で色々な人を見てきましたが、閾値というか沸点というか、どのレベルで改善欲求が出るかは、つくづく人によります。

そのため本人が「変えたいなぁ~」と思えば、そのときがキャリアチェンジのタイミングです。

3つの要素はあくまで自己評価ですので、他人がとやかく口を出す問題でないです。

自分の中で3要素のバランスがそれなりに満たされていれば転職は全く不要です。

(かつて3カ月ほど2人で仕事をした上司は、「おれ、毎日朝の3~5時しか寝ないから!いつでも相談していいよ!」と言っており、ライフスタイルの沸点の異常な高さを目の当たりにしました)

 

 

ちなみに前回記事の補足の観点で言えば、

ライフスタイルや社会的意義は自己評価に尽きるのですが、スキル・専門性は自己評価以外に他者からの評価が多分に介在します。

ただ、スキル・専門性の高低は所属している職場での相対評価なので、「うーん、自分はいまの職場で全然ついていけない!」という場合も、職場を変えたら要求されるスキル種類やレベルが変わって、普通に活躍できるという事例も多く見ます。(僕もそういう経験がありました)

そしてスキル・専門性の絶対値を高くしていた方がキャリア選択の自由度が増しますよ、という話です。

 

 

結論:意義・スキル・ライフスタイルの3つの要素が欠けたタイミングで、自分が改善したいと思えば転職した方がハッピーになる可能性がある。

 

P.S.

ちなみに「転職しない方が良い」という人はいるのか?という疑問(愚問)も自然と生じるかと思いますが、この疑問に対しては「3つの要素に関心がない人」が答えとなります。

関心がないというのは、おそらく3つの要素での不足を意識するレベルではない、とも捉えられるので、そうであれば無理に転職する必要はなしです。

もしくは「なんか転職したいけど、3つの要素とか興味ないし」という場合は、自己分析が甘いので転職活動自体が成立しないと思います。(面接官は結構見ています)