愚問自答「事業会社って・・・何?」
以前、Facebookで書いたものですが、個人的にお気に入りのテーマなのでブログでも復活させました。
敬愛する元同僚Oさんから大変光栄にもお題をいただき、「これはなかなか味わい深い愚問!」と思ったので、勝手気ままに持論を自答します。
(真っ当な理論を知りたい方は、これまた敬愛する高橋千枝子センセイの名著をお読みください)
新卒でザ・スーパートラディショナル・ハイパービッグな製造業に入り(リクームの技みたい)、
その後泣く子も黙るザ・グレート・プロフェッショナルファームに転職し(義太夫みたい)、
いまはザ・ジャパニーズ・シンクタンク&コンサルティングファームにいるのですが(よく分からなくなってきた)、
たしかに「事業会社」「ファーム」という言葉を、ファームに入ってから耳にするようになりました。
製造業時代は、いちいち事業会社とか言わなかったですね。
しかし、改めて考えると「事業会社」というのは不思議な言葉です。
素直に考えれば「ペーパーカンパニー以外は事業してるやんけ!」とも思います。
微妙なのが、実業/虚業という言葉もあるから話がややこしい。
たまに「他人のふんどしで相撲をとってるか否か」的な区分をする意見も聞きますが、これも「いや、完全に自前はないでしょ」と思ったりします。
「知恵だけでフィーをもらってるか否か」という区分もありますが、ぢゃあ、教育産業はファームかというと、いやいや事業会社でしょ、と思ったりします。
逆に占い師はファームなのか?
このあたり、エドガーシャインのプロセスコンサルテーションが一番概念的にしっくり来る気がしますが、彼自身はファームや事業会社という区別をしてなかった気もします。
強いて言うなれば、物を作ってるか消費者にタッチしてれば事業会社なのかな。
定義よりむしろ、事業会社、ファームという言葉が出る心理的背景の方が興味深いです。
僕は製造業から転職するとき、面と向かって「俺はコンサルが嫌いだ。口だけで何もしないから」と言われたことがあります。
(若き日の僕はひどく傷ついたものですが、今なら「僕は働かないおじさんが嫌いです」と言うでしょう)
ただ、「コンサルは嫌い」って人は、たまにいるのも事実です。
単に僕が嫌われてるだけなら良いんですが、そういう人は金融、商社、広告代理店も食わず嫌いだったりします。
(金融、商社、広告代理店の方々、勝手に巻き込んでゴメンナサイ)
逆に「俺はメーカーが嫌い」と言う人には会ったことがありません。
そのあたりを何となく感じて、嫌われてる側が、相手に失礼のないように「事業(をしている尊い)会社」と言ってるのかもしれません。
結論:
・あまり食わず嫌いされない→事業会社
・たまに食わず嫌いされる→プロフェッショナルファーム
補足:
敬愛する楠木建先生はブログの中で
「経営学の教授なんて楽してお金もらって…」という批判に対して、
「たしかに楽してお金もらってるので、それくらいの批判は甘んじて受けてる」
的なことを書かれており、やっぱり素晴らしいと思いました。