日々是、徒然に愚問自答

生来の小心者なのか、単に暇なのか、、、、日々悶々と悩みや疑問が浮かびます。しかしながらその大半は取るに足らないことで、人様の貴重なお知恵と時間を拝借するのもはばかれます。そのため、自ら産んだ愚問には自ら答えて始末をつけようという試みです。通勤電車等でご賞味くださいませ。

愚問自答「大企業に向いている人とは?」

よく読んでいるブログ「Books&Apps」で興味深い投稿がありました。

 

「いくら高学歴で頭が良くても、ベンチャー・スタートアップ企業は「普通の人」が働く先ではない。」

https://blog.tinect.jp/?p=63279

 

要すれば、

・昨今、東大・京大の学生は大企業に魅力を感じず、ベンチャー・スタートアップを志向

・一方、ベンチャー・スタートアップに向かず退職するケースも存在

ベンチャー・スタートアップ特有の気質を「それがいい」という人には向いているが、それはそれほど多くない

 

ということでした。

 

確かに僕のOBOG訪問での経験上も、「大企業かベンチャーか?」という疑問はよく聞きます。

楠木建氏は著書の中で「学生の質問を聞くと、世界には大企業かベンチャーしかないのか?と思えてしまう」的にナイスに茶化されていましたが、ホントその通りです。

※ちなみに10年前だと「大企業か外資か?」だったのですが、世の中微妙に変わるものですね。

 

僕はベンチャー・スタートアップで勤めた経験がないのですが、周囲の大企業在籍者/出身者を見た感じで

「大企業に向いている人とは?」

ということを愚問自答してみます。

 

※正直言えば規模の大小より業種の方が向き/不向きが大きいですが、今回は規模の観点で話します

 

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一般的な大企業のイメージと聞くと以下のようなものでしょうか。

 

◯安定している(潰れない)

◯給与・福利厚生が良い

◯親が安心する

× 官僚的

× 一人一人は歯車で任される仕事は小さい

× 自由が少ない

 

大体当たってると思います。

 

ベンチャー志向の若者からは、「このご時世、安定なんてないし、成長企業に行けばバンバン給与上がる。社内政治に気を使うのも無駄」ということで、大企業は避けられているのでしょう。

これまた、概ね正しい。

というか、僕も似たような理由で一度大企業を辞めて外資に行った時期もありましたし。(ちなみに色々考えるところがあってまた大企業に戻りました)

 

で、本論。

個人的な見解として、以下のようなタイプの人は大企業に向いている(=長く働ける)と思います。

 

1.自己への執着が少ない

2.規則正しい生活が好き/苦じゃない

3.お金のかからない夢や趣味がある

 

【1.自己への執着が少ない】

 

なかなか表現が難しいのですが、「自分の考えを持つ/表す」と「自己に執着する」は似て非なるものなのですね。

 

平たく言えばチームプレイで成り立っているので、「周りが楽しく働けるように貢献することが好き」というタイプが向いていると思います。

意外と勘違いされがちですが、大企業にいる90%の人は出世に興味がないです。

個々人の業務が細分化されているため、チームプレイの重要性が高いですし、基本、長く働く前提のため、

「人間関係こじらせるくらいなら、あまり自分の成果に固執しない。間接的かもしれないけど会社全体で成果が上がれば良い」

というくらいの考えでいることを良しとする人は、大企業向きな気がします。

 

 

【2.規則正しい生活が好き/苦じゃない】

 

最近では大企業も、フレックス・裁量勤務、兼業副業が進み、働き方が自由になっています。

ただ、根底には「規則正しさ」を是とするところにあります。

これは業務構造的に、一人一人の業務範囲が小さい=関係者が多い=一定の範囲で動きが読める方が仕事がスムーズというカラクリになっているためです。

 

それを「うぎゃー、窮屈!」と思うか、「まぁ学校みたいなもんでしょう」と受け入れられるかで向き/不向きが分かれると思います。

 

その意味では理系→大企業エンジニアというゴールデンパターンは、比較的規則正しい学校生活(理系は研究しないと卒業できないからある程度真面目に学校にくる)の延長線上で働けるからかな、と思いました。

 

ちなみに僕は「ガチガチに規則で縛られるのはイヤだ」と悶々としつつ、いざ自由度が高い職場も「ここは無法地帯かっ!」と腹を立てていたので、自分でもどっちが向いてるのか分からないです。

 

 

【3.お金のかからない夢や趣味がある】

 

大企業は給与の上がり方が安定してゆるやかです。ベースは高いけど長者にはなれない、というものですね。

よって、長く勤めたからと言って生活水準が劇的に上がることもなく、「食うには困らん」という感じです。

加えて、ベンチャー・スタートアップほど仕事にドラマがあるわけではないため(もちろん楽しさはあるけどドラマチックではない)、適度な趣味で人生が充実する人は向いていると思います。

逆に「月に生きたい!」という人は起業した方が良いでしょう。

 

ちなみに大企業で裕福な生活をしている壮年の方もいますが、これは

・元々裕福な家に生まれた

・教育投資をされて高学歴

・当時は高学歴→大企業という風潮

という構造と思います。

大企業だから裕福なのでなく、裕福だから大企業に行ったのでしょう。

 

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こうして考えると、

・あまり固執せず

・規則正しく

・多くのお金を求めない

という人が大企業向きだと思い、日本人の85%ってそういうタイプなんじゃないかね?と思いました。

 

そうしてみれば、日本の教育システムの学歴エリートって、大企業に超絶最高に向いている気がしました。

 

結論:

草食系は大企業へ!