愚問自答「なぜ僕は日本企業に勤めているのか?」
最近の愚問自答を改めて見直してみて、「こりゃいかん」と思ったのが、ちょっと日本企業に対してシニカル過ぎました。
僕個人としては、日本企業がダメだと言いたいわけでなく、日本企業の組織戦略は歴史的に必然として現在の様式になっていて、それが現代の事業戦略において解決すべき課題に即していない可能性があり、もっと根源的な強みを活かそう!と言いたいわけです。
というわけで本日の愚問自答は「なぜ僕は日本企業に勤めているのか?」とします。
個人的な話を長々書きますが、ご興味あればご賞味ください。
僕のバックグラウンドをサラリとおさらいすると、
・日本の伝統的電機メーカ(人事)
・米系コンサルティングファーム
・日本のシンクタンク(人事コンサル→産業技術研究員)
という感じで、我ながら根無し草のようなキャリアを歩んでるなぁと、感心よりも呆れてしまいます。
僕的には転職=キャリアチェンジという言葉は、会社×職種の2つの軸で整理でき、
・最初のキャリアチェンジは、会社も職種も変わる
・2回目は、会社が変わり、職種は似たもの(コンサル)
・3回目は、会社はそのままで職種が変わる
という感じで、"会社そのまま・職種そのまま"はキャリアチェンジではないとすると、幸か不幸かキャリアチェンジの全パターンをコンプリートしました。
そんな中で良かったのは、同じ業態で外資と日本企業を経験できたことです(慣れるまでめちゃくちゃ大変でしたが…)。
ザックリと日本企業と外資企業の特徴を書くと以下のように思います。
※業種や企業規模によって同じ日本企業/外資企業でも異なると思いますが、あくまで自分の経験で書きます
※特にベンチャー企業について言えば、日本資本でも中身は日本企業より外資企業の特性が近い印象です。ただ、ベンチャーで働いたことがないのでここでは触れませぬ。
【日本企業】
・長期雇用が前提のため時間軸がゆるやか
・業務範囲が明確でなく曖昧なところが多い
・まずメンバーありきで、新卒中心のため現有戦力をベースに事業戦略・施策が決まる
【外資企業】
・雇用が短期も長期もその人次第で、基本的には時間軸が短い
・業務範囲がものすごく細かく規定されており曖昧な/遊びの部分が少ない
・戦略・施策ありきで、かつ中途も多いため、その時の戦略・施策にマッチする人材をガッと集める
僕が比喩として使うのは、ダイエット手法で例えると、日本企業はロングブレス&漢方薬的で、外資企業はブートキャンプ的と捉えています(却って分かりにくかったらご放念ください)。
個人的に、短期的な企業の経営戦略で見たときにはやっぱり外資の方が強いです。短期でガッ!みたいな感じですから。
一方、一社員としての自由度で見ると、日本企業の方が遊びまくれると思います。たまにホントに何もしてない人がいるのでビックリです。
僕が求職者からよく聞かれる質問で、「日本企業と外資企業のどちらが成長するか?」というものがありますが、これはなかなかいい感じの愚問です。
自分を労働市場の商品として捉えるならば、外資企業の方が規定された業務スキルを短期間で身につけることができるのでオススメです。
個人的な感覚では、外資企業の時間軸は日本企業の4倍くらいと思います(日本企業で1年間かかることが、外資だと3か月で身につく)。
他方、自分の専門分野を規定せず、幅広いスキルを身につけたり、じっくりとスキルアップするならば日本企業がオススメです。
僕自身、学際的専門性という感じでスキルを磨きたかったので、日本企業にいることで長い時間をかけて色々な経験ができました。結果、「何やってるかよく分からない」という僕的には最高の褒め言葉をいただいています笑
ここで大事なのは「会社と自分の同一性」です。
僕は良くも悪くも早いタイミングで会社を変えたため、あまり自分と会社を同一視していません。
これは自分起点で人生を積む上ではとても自由な発想になり心地よいのですが、一方で会社への帰属意識という点で新卒プロパーの方との隔たりを感じるときもあり、素直に新卒プロパーの方がうらやましく思ったりします。
愛着と執着の区別というのも難しいですが、せっかくなら働く会社に愛着を持てた方が幸せですよね(もちろん、中途で外資企業に入っても愛着持って働いている方も多数いるので、日本企業や外資企業というよりも個人の性格の問題のような気もしますが)。
というわけで、まとまりのない話になりましたが、日本企業・外資企業のそれぞれの良いところ/悪いところを意識した上で働けば、幸せなキャリアになると思います。
許されるならば、日本企業↔︎外資企業を定期的に行き来したいですねー。(雇ってくれれば)
結論:
色々書いてますが、日本企業も外資企業も両方好きなのですよ笑