愚問自答「人脈を広げることは卑しいか?」
「抜擢される人の人脈力」という本を読み、ナイスミドルのキャリアへの指針として、とても参考になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4492043284/ref=cm_sw_r_cp_api_i_nEeeDbCY9JNFY
他方、「人脈力」という言葉は果たして日本人受けが良いのかしら?とも思いました。
(くどいようですが、本書の内容自体はとても面白いので、タイトル次第ではもっとハイキャリア層にも広がったかもしれません)
ただ、そんなことを疑問に思うのは僕の心理的背景に
「あまり人脈を求めると卑しく見えるのでは?」
という固定概念があるかもしれない…。
ということで、今回は「人脈を広げることは卑しいか?」というタイトルで書いてみます。
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まず、僕の基本姿勢として人脈自体は極めて重要と思います。
身近な話だと、社内で仕事するときも「このことに詳しい人」を知ってるか否かで3倍くらい仕事のスピードが高まります。
また社外では「第一人者/先行者に聞かないと分からん」ということもあります。
その意味では、働く人はそれを人脈というかは別として、何かしらの人脈のお世話になっています。
では人脈をアクティブに広げていくとどうか?
例えば若手社員が上司に
「知見を広げるためにセミナーに参加しますので、今日は定時にあがります」
と言った場合、仮にその若手が仕事を終えていたとしても快く送り出さない…ということもあるのではないでしょうか?
おそらくその場合、上司も「明確にこれがダメというものはないが、何となく軽く見える」という心理が働いているのだと思います。
何故か?
一つには、人脈は速攻性がないからと思います。
僕はあまり積極的に新しい人に会いにはいきませんでしたが、知人友人から紹介される「この人は面白い」という人とは割と臆せず会っています。
この何気ないつながりがその後に仕事につながることもありますが、会った当初はノービジネスモードですので、仮に仕事になるときも、3〜5年後とかです。
その意味ではいわゆる人脈というものが実務的に機能するのは中長期で見なくてはいけません。
よって、目の前の仕事と比較すると優先順位が劣後してしまいます。
もう一つは、「実際に短期の成果を売り込む人が怪しく見える」というものがあります。
例えば僕のもとに
「私は自分自身もすごいが、さらに多くのトップ人脈を持ってるので、piro piroさんに役に立てますよ」
的な売り込みをいただくこともあります(ヘッドハンターからが多いですが、それ以外にもチョコチョコあります)。
歯に衣を着せずに言えば、
「あなたくらいの専門性なら既に持ってるから手助け不要」
ということが多く、何となく会ってみても
「薄っぺら過ぎて時間の無駄」
と思ってしまいます。
(基本、本人には言わないですが、あまりに腹が立ったときは面と向かって言います)
このように考えると、ハードルは2つ。
1.人脈が活きるのは中長期的なこと。しかも予期しないタイミングで偶然生じる
2.積極的に売り込む人に限って役に立たない
1つ目は長い目で見ようという話ですし、2つ目はなるべく関わらないように逃げるしかないですね。
逆を言えば、短期成果を求めない範囲なら人脈を広げることは極めて有効と思いました。
以前、愚問自答で書きましたが、2020年以降の資本主義は「友達=社会資産」が肝と思いますので、過度に恥ずかしがることは却って危険です。
また、採用においてリファラルが有効となっていることや、最近はコンサル発注よりIC(インディペンデントコントラクター)への業務委託が増えていることからも、
根底には「知り合いの多い人が強い」時代と思います。
ちなみに知り合い論でいうと、よく「自分は大したことないけど知り合いが多い」という人がいますが、
個人的にはそんなことは全然なくて、当人も何かしらの専門性がないと専門家の知り合いはできないと思うので、謙遜せずにいた方が信頼できます。
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結論:短期的に広げようとすると卑しく見える。
長い目でジンワリ広げれば卑しくない。