愚問自答「採用面接で背伸びすべきか?」
最近のニュースを見ると新卒でもAIエンジニアとかは中途の専門職採用並の採用方法になっており、日本も(良い方向に)変わったなぁと思いました。
一方で、いわゆるスペック型採用が浸透すると、今度は「採用されるために背伸びする/頑張る」人が増えるのではないか?と思い、それって良いのかなぁ?と考えるため、愚問自答します。
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専門性の明確な(高い/低いではなく)ポジションの採用の場合、要件と自分のスキル・経験がバチッとハマれば何も問題ないですが、そんなことはマレです。
そうすると、
「面接対策として、色々調べたり勉強して何とか受かるか…!」
と考えがちになると思いますが、個人的には以下の2つの点から背伸びしてまで入るのは良くないと思っています。
※前提で「付け焼き刃的な対策はあっさり面接官にバレる」というのがありますが、ここでは受かることを念頭に書きます
1.入った後に相当苦労する
これは僕自身の経験です。
「経営のスキルを身に付けたい」
という20代にありがちなアレで世界屈指の外資戦略コンサル会社に転職したのですが、体力と好奇心しか持ち合わせてなく、圧倒的に頭脳が足りてなかったのでムチャクチャ苦労しました。
というか、全然通用してなかったというのが正直なところです。
幸い、同時期入社のメンバーが皆素敵なので辞めて8年経った今でも仲良くしていますが、仕事のアウトプットでは挫折ばかりの日々でした。
そのときの苦労はサイヤ人的なパワーアップにより、その後自分の一生の財産になりますが、在籍当時は
「頼むから家に帰してくれ。もしくは30分でいいから寝かせてくれ」
とばかり思っていました。
思い起こすと、採用時にものすごく対策をして、相当の背伸びをしていたのだと思います。
ここまで書いても
「苦労してもスキルアップするなら良いじゃん」
と思う人がいるかもしれませんが、ホントに背伸びは辞めた方がよいです。
ハイリターンの裏には10倍のリスクがあります。界王拳みたいなものです。
2.入って活躍する人は対策なんかせんでもアッサリ受かる
才能について考えるとき、毎回頭をかすめるのがX JAPANにHEATHが加入したときの逸話です。
HEATHはメンバーとの音合わせの前夜にベロンベロンに酔うまで飲み、翌日超絶二日酔いでスタジオに行くも、メンバーから大絶賛で受かる…という話。
結局、入ってから活躍する人はいかなる状況でも受かるのであり、むしろ自然体でいるのだと思いました。
仮に自分が面接官だとすると、
A.緊張して、詰め込んだ高度な知識を早口で話す受験者
B.リラックスして、自分の体験に基づく見解を丁寧に話す受験者
のどちらに期待を寄せますか?…という話だと思います。
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ということで、僕は前向きな意味で「身の丈」「心地よい居場所」があると思っていて、背伸びは辞めた方がよいと切に思います。
結論:
背伸びして受かるのはいっときの優越感。その後の苦労は大ダメージ…