愚問自答「不要不急のボーダーラインはいかに?」
東京でも今週末は不要不急の外出自粛となりました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200325-00000188-kyodonews-soci
元々出不精な僕としてはさして困らないですが、「不要不急」なんていう解釈の幅があるワードは愚問自答の好機なため考えてみました。
(ふと、週末に金曜日は含むのか?という愚問も湧きましたがそれはやめておきます)
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「不要不急」。
漢字を四文字並べると何となく「そういうもんか」と思えてしまうのがビックリですね。
とはいえ、やっぱり具体的に考えると
「これは不要?」「これは不急?」
と判断に迷ってしまいます。
こういうときは「目には目を、言葉遊びには言葉遊びを」の精神に則り、以下の観点で言葉遊びをしながら考えてみます。
1.「不要かつ不急」か「不要または不急」か
2.「不要不急」の対義語は何か
3.「要」と「急」は独立しているか
【1.「不要かつ不急」か「不要または不急」か】
ベン図の狭いところをみるか広いところをみるか、ですね。
行動の制限によって安全性を高めるならば、対象の広い「不要または不急」と解釈するのがよさそうです。
そうなると、
「うーん、外出しなきゃダメってわけでもないから(要ではない)自宅にいるか」
「うーん、今日やらなきゃダメってわけでもないから(急ではない)自宅にいるか」
「うーん、外出しなきゃダメってわけでもないし、今日やらなきゃダメってわけでもないから自宅にいるか」
と、3パターンの人の行動を静止できることになります。
幸いにしてこの現代においては、ネットを使えば暇つぶし放題ですから、週末の2日間くらいはどうとでもなりそうです。
【2.「不要不急」の対義語は何か】
ベン図の話に戻すと、不要不急に対する概念は「必要かつ急」となります。
程度の問題になりそうですが、「不要不急な外出自粛と言われてるのに、なおも外出するほどの用事」とは何ぞや?という話ですね。
「必要」を突き詰めると「これやらないと(自分・他者)が生命の危機にさらされます」でしょうか。
「急」を突き詰めると「今日じゃなきゃどうしてもダメ!明日だと全然遅すぎ」という感じ。
そしてこの2つを組み合わせた「必要かつ急」は、「今日やらないと誰か死ぬ」レベルになりますね。
うーん。そうなると医療介護、警備、水・エネルギー・公共交通インフラくらいに絞られそうですね。
少なくとも僕のようなデスクワークの会社員、かつ週末が休日の人には関係なさそうです。
【3.「要」と「急」は独立しているか】
実は「不要不急」という言葉を初めて聞いたときに抱いた違和感がこれです。
僕だけの印象かもしれませんが、「急なものは必要になっちゃうじゃん」と思えます。
「急ぐけど…必要ないや!」というものは「別に急がなくてもいい」と、グルグルする気がします。
そう考えると「不要不急」の本質はMECEではなく語感からくる切迫感なのかもしれませんね。
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大々的に「不要不急の外出自粛」と言われると
「マジかー」
という気になりますが、よくよく考えると普段から
「ま、今日外出しなくてもいいよねー。後回し後回し」
ということはソコソコあるので僕自身に関しては痛くも痒くもないです。
ただ、人々が外出することが前提の仕事(顕著な例では小売・飲食業)には大打撃で「ちょっと待ってくれよ」という事態になることは、いち市民として深刻に受け止めなくてはいけないと思います。
端的な解決策として『宅配』の利用が考えられます。
こういうときだからこそ宅配にはなるけど小売・飲食業を応援したい!
ただ、そうすると今度は宅配する人の外出機会が増えるため、それは果たして良いのか?と思ってしまいます。
そう考えると、不要不急の四文字が『何を解と置き、正義と考えるか』という、実は壮大な問いかけを我々にしている気もしてきました。
結論:
ボーダーラインを定義すること自体はできないこともないが、それが果たして良いかは誰にも分かりません。